「読書会『これまでの仕事 これからの仕事』完走記念!著者登場ふりかえりスペシャル」というタイトルでClassmethod Odysseyでトークセッションを行いました #cm_odyssey
みなさんこんにちは!よしななです。
現在、クラスメソッドでは会社設立 20 周年イベントとして「Classmethod Odyssey」を 1 ヶ月間にわたって開催しています。
今回私は、2024/07/17(水)の Classmethod Odyssey ONLINE 組織デザイン編にて
「読書会『これまでの仕事 これからの仕事』完走記念!著者登場ふりかえりスペシャル」というテーマでトークセッションを行い、そちらに参加させていただきました。
「これまでの仕事 これからの仕事」の著者である市谷 聡啓さんにもご参加いただき、セッションを開催しましたので、どのような内容のセッションを開催したか振り返っていきたいと思います!
目次
- セッション概要
- 読書会について
- セッションの流れ
- セッションの内容
- トークテーマ①:市谷さんはどのような経緯でこの本を執筆しようと思われたのですか?
- トークテーマ②:ワクドキ感や『楽しかった』『前向きでいられた』など、自分の感情が仕事の手がかりになるんだ!
- 終わりに
セッション概要
「これまでの仕事 これからの仕事~たった1人から現実を変えていくアジャイルという方法」を課題本とした読書会、CM Book Community をクラスメソッドのメンバーで主催し、4月から7月まで開催してきました。
全4回の読書会を通じて出てきたテーマ・話題・疑問を課題本の著者である市谷さんと一緒にふりかえり、さらに「これからの仕事」について考えを深めるトークセッションを行いました。
読書会について
クラスメソッドのメンバーで、課題本を市谷 聡啓さん著の「これまでの仕事 これからの仕事 ~たった1人から現実を変えていくアジャイルという方法」とする読書会を主催しました。
課題本:
これまでの仕事 これからの仕事 ~たった1人から現実を変えていくアジャイルという方法 | 市谷 聡啓 |本 | 通販 | Amazon
クラスメソッド社内で読書会運営メンバーを募り、外部からも読書会に参加していただくメンバーを Connpass で募集しました。
Connpass 募集ページ:
各回ごとに申し込みいただいた5名~13名の方と、クラスメソッド社員5名のメンバーでグループを作り、各グループ内で本の中で気になったこと、考えたことを出しあってテーマを決め、各テーマについて意見や思ったことを発表しあいました。
私が今まで参加した読書会は技術書の読書会が多く、参加メンバーもエンジニアが多かったのですが、今回は非エンジニアの方も複数いて、色々な職種の方から意見が聞けたので非常に面白かったです。
私は最初読書会に一メンバーとして参加していましたが、途中で運営側に回り、読書会で必要なサマリを作成したり、ファシリテーターとして参加するようになりました。
他の運営メンバーのファシリテーションや読書会の運営の裏側を見ることができて、参考になるところや勉強になることが多々あったので運営メンバーとして参加できてよかったと思います。
セッションの内容について
読書会は各回盛り上がり、個人的には時間が足りない!もっと意見を交換しあいたい!と思うことも多々あるほど充実した内容となりました。
読書会を通して様々なテーマ、話題、疑問が出てきましたので、その内容をとりまとめてセッション内で著者の市谷さんと一緒に振り返りをしました。
著者の市谷さんのプロフィールは以下となります。
トークセッションへの登壇者は著者の市谷さんと、読書会の主催者であるクラスメソッド社員の足立さん、読書会の運営委員として関わっている豊崎さん、鵜久森さん、吉田の5人でトークセッションを行いました。
本ブログでは、トークセッションの中で印象的だった問いかけや、市谷さんのお話について抜粋してまとめました。
トークテーマ①:市谷さんはどのような経緯でこの本を執筆しようと思われたのですか?
市谷さんへの問いかけ①:
まずは1つ目のテーマとして、市谷さんが課題本を書いた経緯や思いなどを伺いました。
本の冒頭で、「20年の時を重ねてたどり着いた仕事の方法、取り組み方、仕事の始め方をあなたに」ということが書かれており、市谷さんが取り組んできたアジャイルについての試行錯誤や集大成が書かれた本になっていました。
改めて、どのようなメッセージをどんな人にむけて執筆された本なのかをお聞きしました。
市谷さんのお話し①:
- アジャイル開発が市谷さんの軸になっているので、そこでの考え方を広く届けたいというところからスタートした
- アジャイルはソフトウェア開発の中で生まれたやり方なので、ソフトウェア開発をやってきた人には届きやすいけれど、アジャイルの考え方や取り組み方は開発だけでなく、他にも一般的な仕事や組織運営などにも役立つのではないかと感じていて、もっとエンジニア以外のいろいろな人に届けたいと思った
- アジャイルという概念や考え方を、エンジニア以外にも受け止められるように平易な内容や言葉になるように気を付けながら、市谷さんが仕事をしている中でも特に大事にしていることは何かというのをまとめて書籍にした
市谷さんへの問いかけ②:
上記のトークセッションの中で、課題本の構成についてもお話をお聞きしました。
本書は構成が特徴的で、各章の中で以下の構成になっています。
from:「これまでの仕事」がどのようなものであったか
to:「これからの仕事」がどのような姿であるべきか
from ▶ to「これまでの仕事」を「これからの仕事」へ変えていくためにはどうしたらよいか
なぜこのような構成にされたのかをお聞きしました。
市谷さんのお話②:
- 市谷さんのお仕事の中で、とある企業に対して組織改革支援や事業開発などを行っていて、具体的にはとある企業の中で仕事の進め方をダイレクトに変えるためにアジャイルの考え方を取り入れたり…といったことを行っている
- 仕事のやり方を変えていこう、という文脈の中で
from:「これまでの仕事」がどのようなものであったか
の考えが大切だと思っている - こうなったらいいよね、という
to:「これからの仕事」がどのような姿であるべきか
の考えを押し付けてもなかなかうまくいかない from
の出発点が大切で、現状を変えていくためにどう動くか、どのようなアプローチで進めていくか、from ▶ to
の部分を読者に伝えたかった
市谷さんのお話を聞いて感じたこと
課題本を読んでいて、ソフトウェア開発の用語(ベロシティなど)を非エンジニアのかたにもわかりやすいような言葉で書かれていていいなと思っていましたが、市谷さんのお話を聞いて、実際にそう考えて書かれていたんだな・・・と合点がいきました。
私自身も、アジャイルはソフトウェア開発の場でしか使ったことのない概念でしたが、本書を読むうちにアジャイルの概念は普遍的な内容で様々なところに応用が利きそうだなということを感じました。
今回の読書会では、エンジニア以外のメンバーも参加を募集していたので、ぴったりの課題本だったなと思っています。
また、エンジニア2~3年目だったあの頃の自分に向けて本を書いている、という素敵なエピソードも聞けてよかったです。
トークテーマ②:ワクドキ感や『楽しかった』『前向きでいられた』など、自分の感情が仕事の手がかりになるんだ!
市谷さんへの問いかけ①:
次に2つ目のテーマとして、本の中に度々出てくる感情についてお話を伺いました。
課題本の中の3章・5章では「ワクドキ感」(ワクワクドキドキする気持ち)、「楽しい」「前向き」などのポジティブな感情が仕事をの手がかりになるんだ、というところが読書会の中で新しい発見になりました。
本の中で、チームの状態を測る指標として「ファイブフィンガー」という手の指の本数で、自分の現在の状態を表すという考えが取り上げられていました。
ファイブフィンガーとは
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ファイブフィンガーとは、文字通り5本の指で自分の考えを表明する方法
- 5 最高に良い
- 4 良い
- 3 普通(平均)
- 2 まずいかも…
- 1 全然ダメ
-
本の中で、5本指の状態が最高だとして、3本指の状態、すなわち普通の状態が続いてしまうと、現状維持のまま進歩がない=自己効力感が下がるということが触れられていました。
-
3本指:普通の状態から4本指:良い状態にする、現状維持を脱却するために、チームとしてどうするかを話し合うことでおのずと挑戦がチームに必要になり、「ワクワク感」や「ドキドキ感」につながる、次の前進の一歩になるということが書かれていて、読書会の中でいい考えだな、勉強になるといった声が上がりました。
-
しかし、自分の感情を共有することはチーム内での関係性ができていないと難しいのではないか、といった声も上がりました。
-
また、上手く自分の感情を共有する環境作りも大切、ということが読書会の中で話題になり、市谷さんの考えを聞いてみることにしました。
市谷さんのお話し①:
- 仕事をやっていて辛くて辛くて大変…という状況は仕事であればどこでもある話だが、ずっとそのような感じだとユーザーに喜んでもらうようなプロダクトを作ろうという時に突き詰められないと思う
- 自分のつくっている仕事に面白さや楽しさを感じられるから突き詰められるものだと思うので、感情は大事
- チームの中で感情を確かめるのも大事だが、そこに行く前に自分自身の感情に向き合うことも大事だと思う
- 自分自身に問いかけてみて、違和感があれば何が要因なのか向き合い、考えた上でチームで考えてみると良いのではないか
- 日常の中で考えるというのも大事だが、ちょっと立ち止まって振り返り、いつもと違う感情について向き合うということをすると、チームの中で取り組むきっかけ作りにもなる
- 振り返りの時に良い状態についても目をむけてどういう状態がチームにとって良かったのかということを振り返るのも良い
- 市谷さん自身が感情に目を向ける大切さに気が付いたのは、ある「きっかけ」から
- 以前に所属されていた会社の社内勉強会を開催した際に、参加者の方に自身の仕事の自慢をしてもらった
- 楽しそうに話している参加者の方をみて、「こういう感じで仕事をしたら、それは良いものができるんじゃない?」という、良い仕事につながりそうな手ごたえを感じた
- その時以来、そういう状態を再現できるようにいろんなことを取り入れようと思ってやっている
市谷さんのお話を聞いて感じたこと
市谷さんが、「感情を仕事の手がかりにするということが大事な要素だと気付かれた瞬間」の話を聞いて、やっぱり仕事が楽しくないといいものは作れない、お客さんに喜んでもらうような働きはできないよな…と思いました。
私の経験の中で、「楽しい」や「前向き」などのポジティブな感情があれば、時間がかかるようなデータの前処理といった大変な仕事でもあっという間に終わってしまうことがあったからです。
改めて、自分に向いている仕事、これだったらできそうな仕事について考えてみるのもいいかもしれない…と市谷さんのお話を聞いて思いました。
最後に
読書会の運営をやってみる、本の著者の方と直接お話する…とはじめての経験がいっぱいで緊張しましたが、勉強になりとても楽しかったです。普段できないような経験をさせていただきありがとうございました。
市谷さんから課題本を書く上で伝えたかったことや、書こうと思った背景などを聞けて課題本の理解度や解像度が一層深まりました。
市谷さん、改めて本書をご執筆いただきましてありがとうございます。
併せて今回のトークセッションにご参加いただきましてありがとうございました。
深くお礼を申し上げます。
また、読書会にご参加いただきました皆様もありがとうございました。
各回、豊かな会話を通して皆様と交流できて勉強になりました!
クラスメソッドではこれからも読書会を続けていきますので、今回のセッションを機にご興味お持ちいただけた皆様は、Connpassで告知をさせていただきますのでぜひご参加ください!
最後に、セッションをご視聴、本記事をご覧いただきました皆様、ありがとうございました!